事業承継の選択肢M&A② M&Aに対するメリット・デメリット
[2020.06.02]
ではM&Aについてのメリットとデメリットを売り手側・買い手側の両方から考察していきます。
■主なメリット・デメリット
売り手側のメリットとしては、何と言っても後継者不在の問題を解消し、事業が継続されることです。これにより従業員や取引先、顧客を守ることが出来るのは最大のメリットと言えるでしょう。次に収益性や特長のある事業体であれば、売却にともない自社株を保有している経営者はキャピタルゲインを得ることも可能です。
買い手側のメリットは、事業拡大にかかるスピードを早めることが出来る点です。買収する企業が持っていた顧客・技術・仕入先・従業員をすぐに手に入れることが出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。あと、買収する企業が税法上の繰越欠損金を抱えていた場合には、その欠損金を引き継ぐことが出来ますので、この活用により節税効果が得られます。
反対にデメリットとしては、売り手側も買い手側も労務問題が発生するリスクがあります。売り手側企業の場合、買収後にそのまま雇用が維持されない可能性があることや、買い手側企業の組織・風土になじめずに売り手側企業の社員が退職する可能性があることなどです。
ただデメリットの部分については、事前の調整や入念な準備・意思疎通を行うことで回避することも可能なので、M&Aは後継者問題解決への一つの手段として検討する価値は十分にあります。
次号では中小零細事業におけるM&Aの実例をご紹介いたします。
【筆者プロフィール】
奥田 雅也
株式会社FPイノベーション 代表取締役
NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会 理事
<経歴>
1972年生まれ。大学卒業後、損害保険会社での2年半の勤務を経て大手会計事務所「日本経営」で医療機関を中心に約1500件のコンサルティングに携わる。2003年に上場保険代理店「アドバンスクリエイト」へ転職。同社にて法人を担当し、約1000社の法人に保険を提案。2014年株式会社FPイノベーションの代表就任・2017年、NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事就任。現在に至る
<仕事内容>
保険業界20数年のキャリアの中で対応した事業所数は2,500社以上。東証一部企業から創業したての事業所まで様々な業種・業態・規模のコンサルティング経験を持つ。特に医業経営者は、1,000名以上の対応経験があり、医業経営についても造詣が深い。
<メッセージ>
弊社、株式会社FPイノベーションでは、生命保険・損害保険・共済商品といった金融商品を活用して、医業・事業経営者の皆さまの事業継続のサポートや、保有資産1億円以上の「資産家」の皆さまの資産保全・運用・相続のサポートを行っております。残念ながら「本当のプロ」が少ない保険業界において、「事業継続をサポートするプロフェッショナルチーム」として、経営者のお悩みを少しでも解決できるように自己研鑽を積んで参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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