配当控除の活用方法
[2020.08.07]
毎年、上場株式の配当金を受け取っている方は少なくないと思います。
配当金は自動的に税務処理が行われます。
しかし、確定申告することで税負担が減る方もいます。
今回は、配当控除について述べさせていただきます。
・配当控除制度
株式の配当金を総合課税として確定申告をした場合には、その年の課税総所得を基準にして、配当所得に一定の割合を乗じた金額が納付税額から控除されます。
①配当所得を含めた課税総所得等が1,000万円以下の場合
所得税10%、住民税2.8%
②配当所得を含めた課税総所得等が1,000万円以上の場合
1,000万円を超える部分に対して所得税5%、住民税1.4%
※1,000万円以下の部分は①が適用
これだけではイメージができないと思いますので、次に総合課税(確定申告した場合)の税率を確認します。
【総合課税】
所得税は所得割合に応じて変わる累進税率ですが、住民税は一律10%となっています。
例えば、給与所得500万円、配当所得が100万円のAさんの場合は所得税率が20%、住民税が10%となります。この税率から配当控除の税率(所得税10%、住民税2.8%)を差し引くと、所得税10%、住民税7.2%となります。復興特別所得税(10%×2.1%=0.21%)を合わせると17.41%となります。
この例の人は総合課税で配当控除の適用を受ける場合と源泉徴収の場合で比較するとどちらの税率が有利なのでしょうか。
【源泉徴収の場合】
所得税15.315%(復興特別所得税15%×2.1%=0.315%)
住民税5%
合計20.315%
いかがでしょうか。
このように源泉徴収(20.315%)よりも、総合課税を選択し配当控除の適用を受けることで17.41%と税率が低くなります。
これが確定申告を行い配当控除の適用を受けるメリットになります。
しかし、デメリットもあります。
確定申告を行い総合課税扱いになると国民健康保険の算定対象の所得に含まれ、翌年の国民健康保険の保険料が上がる可能性があります。
目先の税率は低くなったのに、トータルで支払うお金が増えては意味がありませんよね。配当金を確定申告すると各種所得控除や国民健康保険等に影響する場合がありますので、必ずしも有利になるとは限りません。
ただ、知っておいた方がよい制度ではありますね。
【筆者プロフィール】
株式会社バリューアドバイザーズ
ファイナンシャルアドバイザー 牧元 拓也(まきもと たくや)
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