事業承継の選択肢M&A① M&A拡大の背景
[2020.06.01]
今まで3,000社以上の事業所を訪問し、経営者の各種ご相談を承ってきましたが、いつの時代も多く頂くご相談の一つに「事業承継」があります。「事業承継」と一言で言うほど簡単な内容ではなく、後継者がいるかいないかによっても変わりますし、後継者が仮にいても事業体として継承させるだけの価値があるのか?という根本的な問題を抱えておられるケースもあります。
そんな中で、一定の割合で頂くご相談として「後継者はいないが、そろそろリタイヤしたい。誰か引き継ぐ人を探してくれないか?」という内容です。いわゆる第三者へ事業を譲渡するM&Aです。
2020年中小企業白書によりますと、2018年時点において、60歳以上の経営者は全体に占める割合は58.4%で、半数以上の企業において社長が60歳以上というのが現在の日本の状況です。
※ソース
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/PDF/chusho/03Hakusyo_part1_chap3_web.pdf
このように経営者の高齢化が進む一方で、下図は社長の年齢別にみた後継者決定状況ですが、60歳代で約半数、70歳代でも40%近い社長が「後継者は不在」と答えているように、慢性的に後継者不足であることが分かります。
この後継者不足は、引き継ぎたいと思える事業体になっていない事も要因の一つであると思われます。下図は国税庁が発表した平成30事務年度の黒字企業割合ですが、全体の34.7%しかなく、多くの企業が赤字になっていることも後継者が決まり難い要因であると言えます。
※ソース
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf
これらの要因が重なり、年々M&Aを活用した第三者への事業承継が活発になってきています。
実際にM&Aは大企業だけのものではなく、中小零細企業においても活用されており、M&Aに対するニーズは年々高まってきているのが実態です。
次号ではM&Aの売り手側・買い手側のメリットとデメリットを考察いたします。
【筆者プロフィール】
奥田 雅也
株式会社FPイノベーション 代表取締役
NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会 理事
<経歴>
1972年生まれ。大学卒業後、損害保険会社での2年半の勤務を経て大手会計事務所「日本経営」で医療機関を中心に約1500件のコンサルティングに携わる。2003年に上場保険代理店「アドバンスクリエイト」へ転職。同社にて法人を担当し、約1000社の法人に保険を提案。2014年株式会社FPイノベーションの代表就任・2017年、NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事就任。現在に至る
<仕事内容>
保険業界20数年のキャリアの中で対応した事業所数は2,500社以上。東証一部企業から創業したての事業所まで様々な業種・業態・規模のコンサルティング経験を持つ。特に医業経営者は、1,000名以上の対応経験があり、医業経営についても造詣が深い。
<メッセージ>
弊社、株式会社FPイノベーションでは、生命保険・損害保険・共済商品といった金融商品を活用して、医業・事業経営者の皆さまの事業継続のサポートや、保有資産1億円以上の「資産家」の皆さまの資産保全・運用・相続のサポートを行っております。残念ながら「本当のプロ」が少ない保険業界において、「事業継続をサポートするプロフェッショナルチーム」として、経営者のお悩みを少しでも解決できるように自己研鑽を積んで参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【問い合わせ】
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【ホームページ】
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